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二重螺旋構造 記載者:黒もやし

~前回のあらすじ~
鈍感とか死ねばいいのに。

 ミアが公園に着くと、
「やあ」
 禅譲律が片手をあげて、歩み寄ってきた。
「あ、どうも。こんにちは」
「ああ、立ち話というのもなんだし、あそこのベンチに座って話そうか」
「あ、はい」
 そしてベンチに向かって歩いて行く。
 時間は昼より少し前。その公園に、人影は無かった。


「本題の前に一つ、話をしよう」
 ベンチに座ると、律は話し始めた。
「人間の感情とは、寄生虫に似ていると思わないかい?」
「え、寄生虫……ですか?」
「そう、寄生虫だ」
 その話し方は、授業中にまったく関係のない話をする教師のような話し方で、
「人間の身体の中に存在し……そして人間の中で肥大化し、凶暴化していく。やがては、本体である人
間自体を食い破る」
 ミアに小さな違和感を植え付けていた。
 小さく、微かな、違和感。まるで間違い探しのような。しかし、元の正しい絵が存在しないような。
そんな、違和感。
 ――なんだろう。
「勿論、寄生虫とは違う一面も持ってはいるけどね……例えば、善意という感情」
 その違和感は、公園に来た時よりも、大きくなって、
 ――なんか――
「善意とは、素晴らしい感情だと思わないかい?それ一つで、人間は助け合い、認め合い、愛し合う事
が出来る。人間の美徳だね」
 ゆっくりと禅譲律の身体から流れ出る。
 ――変な、っていうか――
「では、逆に悪意なんかは、人間の最も醜悪な部分だね。それ一つで、人間は憎み合い、壊し合い、殺
し合う事になる。それを持つ人間を、壊してしまう。……まさに寄生虫だ」
 ――――気持ち悪い。
 そう、ミアが思い、
「例えば……こんな感じにね」
 律が言った瞬間、
 ミアの視界が、割れた。
「……え?」
 ガラスが割れるように、視界が砕けていく。砕けて、崩れて、黒く染まる。同時に違和感が膨れ上が
り、ミアの思考を掻き乱す。湧き上がる不快感に、ミアは耐えられず、
「――げほッ、がッ、あ」
 嘔吐する。地面に手をついて吐瀉物を撒き散らす。
 そして胃の内容物を吐き出し終わった時、
「ああ、大丈夫。傷つけるような事はしないよ。……彼が、怖いからね」
 視界が黒一色に染まり、
「……ぁ」
 ミアの意識も黒く、塗りつぶされた。


「やれやれ、まったく。……この娘はこんなに素直なのにね。どうして彼は、素直じゃないのかね?」
 意識を失ったミアを抱えながら、律は独り呟く。
「いや、素直ではあるのかな?……ただ、警戒心が強いんだよね。こっちを全然信用しないって言うか
ね」
 どこか楽しそうに、表情には悲しみを張り付けて、
「もしかして、彼は怯えているのかな?……他人の、悪意に。例えば、そう。私のような」
 その汚水のように濁った双眸を細め、
「なぜ、そんなに警戒するんだい?」
 そう言って、振り返る。

「ねえ……ウィアド君?」

 後ろに立つ、ウィアドへと。
「……」
 憤怒をその顔に映し出す、彼へと。
「私の言う事を、まったくもって信用していないんだね。神父を呼んでくると言ったのだから、待って
いればいいのに」
「……」
 沈黙。
「あの後、すぐにここまで来たんだろう?私が出て行った後、すぐに。まったく、せめて私が呼びに行
くまで待っていてくれたら良かったのに」
「……」
 沈黙。
「あの時、私が言った言葉。君はおそらく、その全てに嘘をついていたんだろうね?さて、どこまで嘘
をついていたんだろうね?」
「……」
 沈黙。
「まあ、おそらくは最初の質問から全てだろうね?君が彼女の気持ちに気付かないはずはないからね。
まったく、わかってるなら答えてあげればいいのにね」
「……」
 沈黙。
「さて、そろそろ何か言ってくれないかな?一人で話し続けるよりは、反応があった方が楽しいのだけ
れど」
「……」
 沈黙。
「やれやれ、私はかなり嫌われてしまったようだ。別に彼女を傷つけるつもりは――ッ」
 瞬間、
 ウィアドが律の目の前に迫っていた。そして律が反応する前に、
「――ぁが」
 ウィアドの放った拳が、禅譲律の顔面を貫く。顔の骨の折れる音が響きわたる。さらに、もう一度。
今度は素早く律の首に手刀を差し込む。
「がッ、げ」
 首を破壊され、ぐらりと傾く禅譲律の腹を蹴り抜く。そして、その手からミアを、
「――ッ」
 奪取。すぐに後退し、距離を取る。
「…………君は……よく……、躊躇せずに……殴れるね……?」
 内臓を痛めたのか、口から血を流す禅譲律に、
「……」
 ミアを抱えたまま、ウィアドは答えない。そして、一言。
「死ね」
 呟き、
 自身の魔術を起動した。






鈍感な奴は嫌いなんです。

いや、だってこういう奴(ラノベとかの主人公)って大抵、人に気を遣ってるじゃないですか?

人に気を遣ってるんだから、心の機微くらい気付くべきでしょう。ていうかそれを考えずに人を気遣うとかおかしいですよ。

そんな奴は結局、「人を気遣う自分」が好きだから人の心なんてどうでもいいんですよ。自分しか見てないんですよ。

まあ、そんなどうでもいい事でした。

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しなび。

Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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面白そうだから入れてみた。今日のカードはこれっ!
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