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【エクセルってしまった】神父ルート【恥ずかしい……】

妹登場
めずらしくシリアス
「頼みたい事がある」
そう瀬口が切り出したのは夕食が終わって幾分かしたころだ。
「なにを」
切り出した相手は彼の妹、瀬口夏鈴である。
別に義妹とかそういう訳ではなく、しかし兄には似ずに頭も顔も良く、美人というよりまだ幼さを醸し出している。
そんな彼女は学校では情報通として名が知られている。
その情報網は高校部はもちろん、大学、更には教師までも及んでいる。
「調べてほしいことがあるんだ」
「別にいいけど……どんな?」
「梨木友子って女性について教えてくれ」
「そこまで?学年クラス、スリーサイズは追加料金もらうけど」
「学年とクラス。これで手をうってくれ」
そういって取り出すのはとんでもなく黄色い……ケーキ(?)。
「……なにこれ」
「喫茶店アーネンエルベの期間限定商品『カレーチーズケーキ』。師匠お薦め」
「兄ちゃん……」
「何だ?」
「その友子さんにはちゃんとしたのを奢ってね」
あとでメールする、と言い残して夏鈴は部屋を出て行った。



風呂から上がり、携帯を確認するとメールが一件届いていた。
差出人は『瀬口夏鈴』、件名は『梨木友子について』。
瀬口は期待に思いを馳せながらメールを開いた。




――――そして次の日の朝。


ジリリリリリ!


「んぁ……朝か?」
瀬口は寝ぼけ眼で目覚まし時計を止め、その針の位置を確認する。
長い針は8を、短い針も8を指している。
それが意味することはひとつ。
「…………遅刻だぁぁぁぁぁ!」
その叫びは町中に響き渡ったという。


「行って来ます!」
いってらっさい~、という夏鈴の寝言を背に聞き疾走する。
着替えに三分、食事に五分、風呂に五分。
合計十三分で家を飛び出す。
(あ~中学生は良いご身分だなおぃ!)
彼にとっては残念なことに、今日は灯光学園の中等部の創立記念日だ。
今頃夏鈴は二度寝していることだろう。
妹に怒りをぶつけながら走り続けた。


そして学校までの30分間彼は走った。
既に一限目の鐘は鳴った。
(やっと……最後の砦か……)
彼が見上げる先には長い階段。
流石に今は、人影はほとんど無い。
まぁ当然である。
すでに遅刻確定。
こんな時間帯に人がいる訳ない。
と思いきや、階段の途中に一人、たたずんでいた。
長い髪、猫背気味の背。
(お?どっかで見たような……)
駆け上がって隣に立つと、案の定“彼女”だった。
梨木友子。
その儚げな背中に声をかけることすら躊躇われ、彼はただその後ろ姿を眺めることしかできなかった。
そうしている内に彼女は再び歩きだしていった。
だが、彼はその場にただ立ち尽くしていた。
「…………」
昨日の夏鈴からのメールには、彼女の好きなものやそういったプロフィールの他に、保健室登校といった単語があった。
確かに身体は弱いらしい。
だがそれとは別に、精神的な理由。
具体的には――――
(いじめ……か)
どうやら彼女はクラスメートとの関係がなかなか良くないらしい。
近年いじめ問題が増えているというのは瀬口もよく聞くが、自分の一目ぼれした相手がその対象とあれば話は別だ。
一刻も早くその苦しみから救ってあげたいが、そんなに簡単ではない。
瀬口は、今まで様々な人間を見てきた。
家が教会であるため、色々な問題を抱えた人達が神に救いを求めてきた。
故に、個人が抱える問題は自分で解決しないと意味が無いことぐらいしっている。
瀬口が介入したところで根本的な解決にはならない。
今はただ、見守ることしかできない。
だけどいつかは――――
(その荷物を支えるくらいはしてやりたいな)
そして、瀬口は歩きだす。
梨木が安心して背中を預けられる男になるために。

テーマ : Wii(ウィー)総合
ジャンル : ゲーム

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Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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