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二重螺旋構造 記載者:折華及び黒もやし

~前回のあらすじ~
ミアが危ないってさ。

記載者:折華

誰かに揺り動かされて、ウィアドは目を覚ました。
「大丈夫かい?」
ウィアドの顔を覗きこんでいたのは、禅譲律だった。
既に日は上がりつつあり、辺りはわずかに明るくなっていた。それが気絶していた時間を物語っていた。
「何が起きたんだ?」
軽く頭を振り、朦朧とした意識を正常に戻す。
「分からない。戻って来たら、君が倒れていた。いったい何があったんだ?」「……ラグズにやられたのか」
状況を確認するため、意識が途切れる前の事を思い出す。
血まみれになったラグズは自分は退場すると言った。首まで絞めていった事を考えると、もう二度と姿を現す気はないのだろう。
体の状態を確認するため、四肢を軽く動かしてみる。
……問題はない
ラグズに絞められた首が痛む。
おそらく痣になっているだろう。
時計を見ると、あれから1時間たっていた。
「ラグズ?ここに戻って来たのか?」
禅譲律が驚いた様な声をあげる。
「ああ、ここにはもう戻って来ないと言っていた」
「ということは、木崎が勝ったのか……
うめくように言うと、禅譲律は、何があったかを話始めた。


「ミアがあぶないだと!?」
禅譲律が話し終えるなりウィアドはミアの寝ている部屋へと走り出した。
ミアは木崎に何かされてから、まだ目を覚ましていない。
部屋に入ると、ミアは静かに寝ていた。
ウィアドはゆっくりと深く息を吐き出し、壁にもたれ、そのまま座り込んだ。
「ミアなら無事よ。さっき確認したから」部屋に入った禅譲律はそのままミアに近づいた。
「びっくりしたわ。様子を見に来たら君が倒れていたから、木崎にミアを捕らえられたのかと思った。」
頭をなでていると、壁の方から少し険の入った声が飛んできた。
「木崎はなんでミアを狙う?いったい何が目的なんだ!?」
「……わからないわ。でもはっきりしているのわ、これからどう動くかで、全てが決まるという事」




記載者:黒もやし

「……そうだな」
 もし、ここで行動の指針を誤るようなことがあれば、それは死に直結することとなる。
 ――どうする?
 ウィアドは思考する。
 ――伏状真枝は行方不明。佐久間美紀は退場。禅譲律という味方もいるにはいるが、裏切らないという確証はない。そして未だ居場所さえ分からない木崎の力は強大。
 ――使える手が少なすぎる。
 手詰まり。諦める。
 その考えを、頭から消し去る。もし、諦めてしまえば、それは。
 ――ミアが、死ぬ。それだけは、駄目だ。
 生きるために、足掻かなければ。死ぬのは自分だけではないのだから。まだ、ミアは生きている。足掻く理由には、十分すぎるほど。
「……」
 ふと、ウィアドの心に疑問が湧く。
 ――何故、ミアは生きている?
 そう。ウィアドが眠っている間、この家は無防備だったはず。それなのに、木崎はミアを殺さず、ウィアド自身も無傷だった。
 ――罠?
 もしかしたら、木崎がミアに成り代わっている可能性。その可能性を、ウィアドは否定する。
 ――ありえない。絶対に。俺がミアを間違えるはずなど、ない。
 そんな回りくどいことをするより、直接殺したほうが手っ取り早い。仮とはいえ、ラグズをあそこまで痛めつける実力を持っている木崎が、ウィアド達を殺せないはずがない。
 ――ということは。
「……ねえ、どうしたの?さっきから、黙り込んじゃって」
 禅譲律の声を聞き流しつつ、思考する。今の状況を打破し、生き残るための術を。
 木崎。
 ラグズ・フェオ・アルジズ。
 ルーン。
 吸血鬼。 
 継色市。
 結界。
 伏状真枝と禅譲律。
 魔術教会。
 ミア。
 少年。
 佐久間美紀。
 偽物。
 魔術。
 自分の持っている必要な情報をまとめ、あらゆる可能性を模索し、最悪と最善の仮定を並べ、一つ一つの手順を吟味し、最も生き残る確率が高い方法を、叩き出す。
 十分ほど考えて、出した結論を、
「……禅譲律」
「え、あ、なに?」
 ウィアドは口にする。
「……継色市を、出るぞ」
  


 
「木崎は、真っ先にミアを狙いに来なかった。それはおそらく、ミアは木崎の目的の中での優先順位が低いからだ」
 ミアを見つめ、言葉を吐き出す。
「場合によっては、ラグズが木崎を止めているのかもしれない。どちらにしても、ここに留まるよりはマシだ」
 浮かぶのは、過去の景色。
「木崎の目的の大前提は、継色市。ここを出た俺達を、木崎が改めて襲う可能性は低い」
 それは、この町に来る前。
 まだ、ラグズ・フェオ・アルジズが彼の母親であった時のこと。
「もちろん、これはあくまで楽観的な考えだ。もしかしたら、木崎は継色市の外にも味方を用意しているかもしれない」
 そこにあったのは、笑顔と、家族と、団欒と、希望と。
「だが、外には魔術協会の分社だってあるだろう。アンタがいるなら、保護くらいはしてもらえるかもしれない」
 激痛と、後悔と、懺悔と、絶望。
 浮かび上がる過去の軌跡を、ウィアドは振り払う。
「だから、」
 何か、恐ろしいものから逃げるように。
「此処を出る」
 ウィアドは、決断した。
 
 

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しなび。

Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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面白そうだから入れてみた。今日のカードはこれっ!
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