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書いてみた【続き】

キョンです。

すでに読んでた人も未公開のところに突入だよ。

   

≪ChapterⅠ-3≫



「誰か…いる?」
「いや、いないよ。」
壁に体を密着させ、周りを見渡してからテラは後ろのルナにそう告げた。
管制室までの道のりには、クルーや生徒はいなかったが、銃を持った人物も発見することはなく、容易に目的地にたどりつくことができた。
しかし極度の緊張状態が休まることはない。テラはもう一度周囲を確認してからルナと共に扉の前に移動した。
(開けるよ?)
視線だけで聞くと、ルナはこくこくと頷いた。
軽く触れると扉は静かに開いた。テラとルナは扉から離れて様子を探る…
「…撃ってこないね…」
「うん…中を確かめてみよう」
そう言ってテラは陰から少しだけ顔を出し、室内を見渡した。
「…誰もいない。よし、入るよ」
「うん」
そこは全面にスクリーンがびっしりと取り付けられた壁が囲む部屋だった。ステーション内の現在の情報を映像を通して瞬時に把握することができる。そして、無数の画面の一つに…
「いた!!」
ルナがスクリーンの一つを指差して声を上げた。
そこには怯えた顔でへたり込む生徒たちの姿があった。
「皆いる…よかった…無事で」
テラはほうっと息をついた。
「クルーの人もいる…場所は…第2倉庫?」
言いながらルナは別のスクリーンに表示されている地図を素早く確認した。
「一つ下の階みたい…」
「よし、すぐに…いや、その前に救難信号を…」
テラは部屋の中央にある通信機のところまで歩み寄り、回線を開こうとした。
――しかし
「そんな……回線を開けない!?」
テラは絶句した。
ステーションの通信機械――全世界に情報を発信するという大きな役割を担い、それゆえに日に何度も点検が行われ、今日も外での教習が終わる直前まで整備を受けていたその装置が――今、壊れている。
「うそ……助けを呼べないんじゃ……あたしたち…」
ルナは突然言葉を切った。
「? ルナ?」
「……指揮官室の通信機械も、壊れてるのかな……」
「……」
ステーション内に一つある指揮官室には、管制室同様、高性能な通信機器を備えている。――それは絶対に壊れない代物でも、故障を自動で修理できる機能も備えてはいない……だが
「可能性はゼロじゃない……行こう!」
「うん!」
二人はわずかな希望に向けて走り出した。


――急がなきゃ――――
テラの恐怖に焦りが上乗せされる。皆の命がかかっている…ステーションを襲撃した犯人の目的が分からない以上、いつ命を奪われるかも分からない――
テラはルナの手を引き、銃を持った人影がないか確認しながらひたすら走った。
「あった!ここだ!」
内部で物音がしないことを確認し、ドアノブに手を掛ける。
幸い指揮官室のドアには鍵がかかっておらず、テラとルナは部屋の中に滑りこむ事に成功した。
「ここが、指揮官室…」
そこはステーション内の部屋とはだいぶ違った。高い天井に届くほどの大きな書棚には多数の複雑な書物が並び、一人で使うには大きすぎる机には情報端末が5機並び、数式や探索中の小惑星の図が表示されている。そして、正面の壁には――管制室の様に壁一面ではないが――巨大なスクリーンが取り付けられ、何やら相当に複雑な数式が独りでに展開されている。
――しかし、それらをゆっくり眺めている時間はない。
「通信機……あった!」
テラは部屋の右隅に配置された、管制室にあったのと同型の通信機に駆け寄り、側にあるパネルを素早く操作し、設定を”緊急通信”に変える。(頼む……繋がってくれ!)
祈りながら≪CONNECTION≫と表示された箇所に触れた。
――数秒後、パネルの上に“Open connection”の文字が瞬いた。
「繋がった!」
ルナも、テラの後ろでやった!と短く歓声を上げる。
――そして、テラは震える声を抑えようと努力しつつ、通信を開始した。
「こちらウェルトラム学院2年、テラ・グレイロード。第4ステーションより緊急通信!ウェルトラム学院2年生とクルーが何者かによって監禁されています。また、すでに第4ステーションのクルー、3名が銃撃によって殺害されています。至急救助を!繰り返します…」
テラはここで言葉を切り、パネルを操作して今の通信を自動的にリピートする設定にした。
「…あとは、誰かが聞いてくれれば……」
ルナが不安そうに呟く。
「……大丈夫だよ」
――きっと届く。 そう言おうとしたが、それは聞き覚えのない低い男の声によってかき消された。――一番聞きたくなかったその声に。

「今この部屋で話声が聞こえなかったか?」

「!!!」
テラとルナは身を強張らせた。

「ああ、確かに聞こえた…まさかまだ拘束していない奴がいるとは…」
先程の声への応答。こちらも男だ。
「確認するぞ」
「了解」

ルナが喉の奥から声にならない高い音を出してテラにしがみついた。
―――――守らないと――――
テラは心の底から強くそう思った。
部屋中を見渡し、助けになるものを探す……そして、見つけた。机の上に置かれた、黒い銃。テラは駆け寄り、それを手に取った。

―――突如、銃を持った右手、そして右腕がざわりとした気がした。
――――まるで血流がさざ波を立てたような感覚。
だがそのことについて考える余裕は全くない。
テラはルナを背中で庇うと、ドアに向けて銃を構えた。

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しなび。

Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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面白そうだから入れてみた。今日のカードはこれっ!
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