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【Trinity Age】 出会い編 IN JAPAN  【TRPG二次小説】





「んー…………」
白髪の男が去った次の日。
胡蝶は再びバーに訪れていた。
珍しく彼女はカウンター席に座り、紅茶だけじゃなく玉子サンドも頼んでいた。
しかしそれらに手を付けようとはせず、ブリジットに渡された書類(データー)を
眺めながらわざとらしく呻いていた。
店内は狭くはないのだが時間も遅く、他に人がいないせいで大きく響いた。
それを聞き、仕方なさそうにマスターーーーーラインホルト・片桐・クラインミ
シェルーーーーが声を掛ける。
「お嬢さん、どうした?」
「マスター…………はぁ」
「ため息をつくな。縁起が悪かろう」
「縁起が悪くなると何か悪いことでもあるの?」
「客が入らなくなる」
「…………それは大問題ね」
そう言ってまたため息をつく胡蝶。
胡蝶は書類をトントンと見せびらかすように指で突つく。
ラインホルトはそれをチラリと見やる。
「昨日のやつか」
「そうよ。『ハドリアヌス社社長暗殺事件』、あなたも聞いたことあるでしょ」
「ああ。そういえば昨日の男はハドリアヌス社の重役だったか」
「やっぱり盗み聞きしていたのね」
そう言ってまたため息をつく。
今回に限り非はラインホルトにもあるので何も言わない。
また黙り込んでしまった胡蝶に気を遣う様にラインホルトが聞く。
「いけなかったか」
「いいえ別に。どうせあなたにも話すつもりだったから」
そう言ったきり黙りこむ胡蝶。
ラインホルトも今度は何も言わず、ひたすらコップを拭き続ける。
「……………………」
「……………………」
沈黙に耐えかねた胡蝶が渋々といった風に話し出す。
「あいつが最後に言ってたじゃない。『信頼できる仲間を作れ』って」
「…………」
「でも私、信頼できる仲間なんて」
胡蝶自身から彼女の生い立ちを僅かに聞いた彼だから分かる。
恐らく彼女には心を許せるような人間が居ないのだろう。
ただ一人、彼女がほぼ毎日通うバーのマスターを除いては。
「良い方法がある」
悲しげに呟いた胡蝶をラインホルトが低い声で遮る。
突然の声に驚き顔を上げる胡蝶にさながら虎の様に獰猛な笑みを浮かべるライン
ホルト。
「お前が誰か一人を信頼すればいい。そしてそいつはそいつが信頼する人間をお
前に紹介する」
「でも、その一人だって……」
「まず最初は俺でいいだろう」
「えっ!?」
「それで俺が信頼する奴を紹介してやる。どうだ?」
「えっと、あた……私は別にいいけど……」
頬を真っ赤に染めて俯く胡蝶を無視し、二階に向けて叫ぶラインホルト。
「それじゃあさっそく顔合わせといこうか。おいノーラ! 仕事だぞ!」
「えっ、まだ心の準備が……」
ラインホルトの袖を掴み止めようとした瞬間天井にドスンと何かが転げ落ちるよ
うや音がした。
そしてその次にはアヒハハハハアとしか聞き取れない様な奇怪な笑い声が。
その声を聞いてラインホルトは飽きれた様に上を向き肩をすくめる。
「あいつまたヤクやってやがるな」
「薬って……大丈夫なの?」
「多分な。ちょっと行ってくる」
胡蝶が返事するのも待たずにラインホルトは店の奥に進む。
彼の姿が消えたところでその背をじっと見続けていた胡蝶がほうとため息をつい
た。
その瞬間を狙ったようにラインホルトが顔を出す。
驚き慌てふためいた胡蝶を怪訝そうに見て言う。
「『猟犬(ヤクトハウンド』)ってのはどうだ」
「な、何が?」
「俺たちのチーム名だ。イカすだろ?」
ニヤリと笑うラインホルト。
胡蝶は紅茶を一口啜り、同じ風に笑い返した。
「だったら『ティンダロス』にしましょう。神話に出てくる猟犬のほうが縁起が
いいでしょう?」


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しなび。

Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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