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【第一章】†確約の空†【始めました】

なんか、いろいろあって仕方なく書きました。
瀬口です。エッティーです。薔薇エッティーです。
この場合の確約の対象はもやし。
言ったからには頑張る。途中で力尽きたらごめんね!

登場キャラを手抜きしたのは内緒。クラスのみんなには内緒。誰が何と言おうと内緒。
     滑神の口上
たった一人が見た魔法は容易く白昼夢に陥る。
二人で見たらそれはただの口裏合わせ。
もしも魔法が大勢の人間に観測された場合は手品に昇華するのだろうか、それともそれは魔法なのだろうか。

1. 第一章「ユーイチロー・F・ミヤマ……本作の主人公ではない人」

 19世紀のイギリス。
そのどこかにあるであろう飛行船やら飛行機の発着所。
そこにはある程度下がらなければ視界に全てが収まりきらないほどに大きい飛行船が一つ、鎮座していた。
その飛行船からは白い柵に守られたタラップがつながっており、更に通路の先の入り口にはプラットホームのようなものが設置されていた。
プラットホームはこれから旅立つ人と、彼らを送別に来た人間とが束の間の別れを惜しんでいた。
――例えば彼らだ。
壮年の紳士とその息子らしき青年が向かい立っている。
そしてそのお付きらしきメイド服の女性が青年のななめ後ろに控える。
つばの広い帽子を被り、白いワンピースを着たお嬢様風の身なりをした少女がそれぞれ青年の隣に立つ。
紳士は息子に自分の店の看板を背負う事の重責。
だが愛する息子がここまで立派になってくれた事への感謝。
そして鈴生りの財宝にも等しい息子の成長を見ることなく死んでしまった妻への悲哀。
最後にこれからの旅への人生の先輩としての忠告を送っている最中であった。

「ユーイチロー、危なくなったらすぐに帰ってくるんだよ」
「飛行船の旅なのに無茶を言いよる」
「ユーイチロー、危なくなったらすぐに船から降りるんだよ。大体こういうのに限って墜落するのだから」
「飛行船だっての」
「ユーイチロー、危なくなったらすぐに私たちを呼ぶんだよ。かわいい息子の為ならどこへでも行こうじゃないか」
「飛行船だっつってんだ……ぐふっ」

 お付きがメイドらしからぬ暴力さで主人の脇腹を抉り、そして一言。

「ユーイチロー様、お父様に対する口のきき方がなってませんよ」

ユーイチローの隣に立つ帽子を被った少女も援護する。

「そうですよユーイチローさん。お父様が可哀そうですよ」
「いいんだよオルカちゃん、イデア。ユーイチローの口が悪いのは今に始まったことじゃないからね。…………はぁ、どこで教育を間違ったのやら」
「どう考えても親父の過保護……がはっ」
「い、イデアさん。それ以上やってしまうとユーイチローさんが船酔いする前にランチがリバースしてしまいますよ……」

ユーイチローの背中を心配そうに擦りながらオルカが言う。
だがメイド服の女――イデアはさりとて気にした風もなく、

「大丈夫ですお嬢様、ここにほら」
そういってイデアはメイド服のポケットから麻袋を取り出す。

「これは最新鋭のごみ袋でしてね。汚物、腐り物何をいれても匂いが外に漏れないというメイド界の革新的発明であります」
「そ、そういう問題ではないような……」

イデアは麻袋を仕舞い、同時に懐中時計を取り出した。
時間を確認した後にパチン、とそれを畳み主人とその息子と彼の幼馴染に優雅にお辞儀をした。

「では、私は先に荷物を運んでいます。まだ時間は多少ありますので、お二人はもう
少しお話してから来てください」

そういってユーイチローとオルカの足元にあるバッグを手に取った。
イデア自身の手荷物は既に飛行船の中に運び込まれている。
イデアの心がけにユーイチローは礼を言った。

「ありがとう、イデア」
「いいえ、主人に尽くすことこそメイドの役柄。感謝される事など何も」
「そうだな。……それじゃあ任せた、イデア」
「了解」

 それからユーイチローは父親と二三言交わし、イデアの後を追いようにして飛行船の乗船口に近づいて行った。
通路の前のスペースで、係員であろう二人の女性が笑顔を見せながら乗船券と手荷物を確認している。
彼とオルカはその列に並ぶ。

(それにしても妙なことになったもんだ)

ようやく自分たちの番になり乗船券を受け付けの女性に見せる。
目の前に移りこむ巨大な飛行船をぼんやりと眺めながら、ユーイチローは独白する。
これからユーイチロー達の乗る巨大客空船「マンハッタン号」はイギリス政府やカノエ商社、ワタル貿易会社などが共同出資して作られ豪華飛行船である。
今回はイギリス―アメリカ間の往復線となっていて、ユーイチローはイギリスを出発し三日間でアメリカに到着、アメリカに三日間滞在した後再びマンハッタン号に乗りイギリスに帰る、という行程を取ることにしていた。
元はといえばこのマンハッタン号に乗るのは彼ではなく、ユーイチローの父親と世話係のイデアだけであったのだ。
だがうっかり友人のコーヘー・セグチに「俺の親父がマンハッタン号に乗るんだぜ」と自慢してしまったところ、どうやらセグチもマンハッタン号に乗るらしい。
彼は警備関係の仕事についており、そちら方面からの依頼らしく詳しくは話してくれなかった。
友人が乗るのならば自分も、と父親に相談してみたところあっさりと譲渡された。
父親としては家業を継ぐための修行の一環、といった意味合いもあるのだろうが恐らく貴重な経験をしてもらいたい、という親心も大きいのだろう。
更にそのことを幼馴染兼許嫁のオルカ・ヒサシに自慢したところ彼女もマンハッタン号の乗船チケットを所持しているとのこと。
せっかくだから、とオルカとイデアを相部屋にしてもらい、ユーイチローはその隣の部屋を借りた。

「まぁいいさ。なんだかんだいって楽しめそうだからな」

九日間の旅への期待が口から思わず零れた。
オルカが不思議そうな顔をしてこちらを見たが何でもない、と一言だけいう。
ユーイチローは彼女の手を引きながらタラップの階段に足を乗せた。

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Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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面白そうだから入れてみた。今日のカードはこれっ!
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