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【第二章】確約の空

浅田次郎氏の文体に似ていると評判の瀬口です。眠いです。
早いとこ完結させてもやシナリオやりたいのに何故か長編になってしまったジレンマ。
おのれ……おのれぇぇッ!我が楽しみのシナリオに、神はどこまで残酷な仕打ちを!

注! このデスガンはフィクションです。。実在の人物、団体、事件などにはいっさい関係ありません
2. 第二章「コーヘー・セグチ……神父ではない人」
 タラップに足を乗せようとしたところで後方の騒ぎに気がついた。
振り返って見てみるとどうやら乗船券に関するトラブルのようだ。
慌てている受付嬢と、困ったように頭を掻く恰幅のよい男性、彼の子どもらしい金髪の少女。

「どうしました?」

連れのトモコ・ナシギがそう問うてくる。
後ろを指さしてやるとあぁ、と合点がいったように頷いた。
騒ぎに彼女も察したのだろう。
これから巨大飛行船に乗るというのに出だしから躓いたような気分だ。
仕事柄こういうことは見逃してはいけないように、と教育されているので嫌でも関わりたくなってしまう。

「気になるんですね」
「まぁ、な」
「行ってきてください。私が部屋まで荷物、運んでおきますよ」
「ありがとう、恩に着る」
「あはは、大袈裟ですよ」

よいしょ、と掛け声をしてセグチの分の荷物も持つナシギ。
ナシギに手を振ると彼女はにっこりと微笑んで言った。

「頑張ってくださいね、セグチ巡査長さん!」
「おう…………はぁ」

ナシギの呼び名のせいで途端に、無理やり背負わされた重責を想起してしまった。


 場面は移り時は二日前。
場所はイギリスのどこかにある警察。
書類の大量に乗った机の前に起立するセグチ。
彼の前には無駄に豪奢な椅子に座りふんぞり返る上司、リュートク警部が煙草を吸いつつ何かの書類を手に持って読んでいた。

「は? 今なんと?」
「聞こえなかったのか、セグチ。お前には明後日、マンハッタン号に乗ってもらう」

リュートク警部の言葉に今朝見たばかりの新聞の一面を思い出す。
大空を優雅に飛ぶ飛行船しか印象に残っていない。
“ただの”飛行船に何故警察が介入しなければならないのだろう。

「昨日の夜、出資者の一つであるメルセデス社に脅迫状が届いた。差出人は勿論あいつだ」

そういってリュートク警部は読んでいた書類を机の上に放り投げる。
それを拾い、ぱらぱらと捲る。
表紙には大きな文字で『怪盗デスガン機密要綱』とだけ書かれていた。

「怪盗デスガン……ですね」

 怪盗デスガン。
今やイギリス全土でその名を知らぬ者は居ないと言っても過言では無いだろう。
あらゆる扉を開けることができ、多くの宝物を掠め取る盗人。
犯行前には大胆にも脅迫状を出し、あえて警備を強固にさせつつも颯爽と盗み出していくのだ。
様々な企業、資産家がその名を目の敵にし、警察も総出でデスガン逮捕に乗り出しているのだが一行に捕まらない。
それどころか、そうやって手に入れた宝物はすぐさま裏ルートで金に変え孤児院に寄付するという義賊的行為をするので市民からは持て囃され、『正義の怪盗』とまで呼ばれていた。

「なんで俺がそんな大役を?」

内心では期待していた。
自分はそんな世紀の怪盗と渡り合えると、リュートク警部に評価されているのだ、と!

「あー、他に手が空いている奴が居なかったんだ。明日から三連休だろ? 皆家族サービスに忙しくてな」
「はぁ、そうっすか」

体のいい押しつけである。
途端にやる気が減ってきた。

「まぁ特別給与も出るし我慢してくれ」
「仕事ですしね、我慢しますよ。ですが……俺一人じゃとても手に負えませんよ?」

マンハッタン号には乗員数乗客数合わせて150人以上が乗ると新聞には書いてあった。
その中からたった一人(複数犯の可能性もあるが)を見つけ出すなど不可能にも程がある。

「安心しろ、スコットランドヤードから何人か潜入捜査しているらしい。お前はせいぜい船ん中を引っ掻き回してくれればいいさ」
「了解。彼らのプロフィールとかは教えてくれはしないんでしょうね」
「ああ。事前に知っていないほうがそれらしい行動ができるだろう?」
「かもしれませんね。というかデスガンは今回何を狙っているんです?」
「これだ」

そう言ってセグチの持っているマンハッタン号のパンフレットを取り、イベント日程のページを開いた。
そのページにはマンハッタン号で行われるイベントが、タイムテーブル通りに掲載されていた。
アメリカ行きの二日目の夜に行われる「大オークション会」のところがペンで囲われてあった。

「これは……一体?」
「見てのとおりだ。二日目の夜にマンハッタン号でオークションが行われる。その際にメルセデス社の出品する『絡繰り人形』が、脅迫状に乗っていたそうだ」
「絡繰り人形?」
「ただの絡繰り人形じゃあない。なんでも人間と同じように思考し、行動できる絡繰りっていう話だ。本当かどうかは知らんがな」

黒魔術かハイテク技術だか知らないが、どちらにせよばかげた与太話だ。

「とにかく船に乗ればいいんですね」
「そうだ。お前はただ警察らしく行動し、デスガンの注意を引いてくれればいいさ」
「了解しました。それにしても警察らしい行動ですか…………」
「要するに普段通りやれってことだ。その無駄に熱い正義感、腐らすんじゃねーぞ」
「は、はい!」

(うむ、今こそ“無駄に熱い正義感”とやらを振り回す時なのかね。警察アピールにもなるしな)

 そこまで考えてから、セグチは胸のポケットから警察手帳を出し気分を高める。
それを掲げながら災いの中に押し入って行った。

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No title

見てるよー!頑張って完結させてよー

中々いい役もらったんじゃないのこれぇ?これもう影の主役と言っても過言じゃないんじゃないのぉ?

しかし友子好きですよね貴方
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しなび。

Author:しなび。
なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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面白そうだから入れてみた。今日のカードはこれっ!
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