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【第十章後編】確約の空

いやもう申し訳ない。
いろいろあったとはいえ(まほよとかまほよとかまほよとか)これだけ更新が滞ってしまったら数少ない読者が減ってしまっても文句は言えぬ。
というわけでこれから一念発起して頑張るよ!
でも田舎帰るからしばらく書けないよ!ごめんね!





13. 第十章(後)「コーヘー・セグチ……警邏中の警察官」


 時は戻り、スレチガインの居る部屋の前に着いたセグチ。
彼は大きく息を吸い、覚悟を固める。
何度やっても初対面の人間に会いに行くのには慣れない。
厳密には初対面ではないが、それも同じだ。

「もしもし、スレチガインさん、いますか!」

扉を叩きながら中に向けて叫ぶ。

…………
……………………
…………………………………………

なかなか返事がない。
もしかするとエクセルと同じように何かしているのだろうか。
時間を置いて後でまた寄ろうかと考えていると、唐突に部屋の扉が勢いよく開いた。
扉の前にいたセグチはそれをまともに受け、どうと一度壁にぶち当たり、廊下に尻餅をついた。
痛む尻を擦りつつ、頭上の少女を見上げる。

(うわッ!?)

少女――恐らくカノヱ・スレチガイン――は素っ裸だった。
正確には体にバスタオルを巻いていたが、必要最低限の部分しか隠れておらず、実は初心なセグチには過ぎた刺激だった。
風呂上りなのだろう、左手に持っている櫛で自分の髪を梳かしていたようだ。
そんなセグチに気づかず、痴女……いやお嬢様は腰に右手を当てて怒鳴る。

「ヴァン! どこに行っていたのです、主人が湯あみをしているのに勝手に部屋から出ていく従者がいますか! 勤怠! 勤怠ですわ!」
「ヴァ、ヴァン……?」

ヴァンという名前には聞き覚えがあった。
確か、カノヱ・スレチガインの使用人の一人だったはず。

「まったく……だから貴方はいつまで経っても一人前になれないのです! いいですか、ヴァン。もしまた珍妙な行動を取ったら、その時は……」
「あのぅ……すいません。俺……いや、私、いえ、ワタクシはコーヘー・セグチと申しまして……その、ヴァンさんじゃないんですよ。すいませんね本当」

そういって日本人が良く見せるという、“曖昧な笑み”を顔面に貼り付け、その場を去ろうと後ずさりを始める。
だが時は既に遅い。
自身の失態(痴態)に気づいたカノヱは顔を真っ赤に染め、八つ当たり気味にセグチに手に持っていた櫛を投げる。
両手を突いていたセグチは躱すことも防ぐことすらできず、見事に顔面に吸い込まれるように投げ込まれた。。

「へっ、変態! 変態ですわ!」
「ちょ、おまっ!」

カノヱが思い切りそう叫ぶ。
焦ったようにセグチがあたりを見渡すが、幸いなことに今回も誰も居ない。

「あ、貴方! 何者ですの!」
「一応警察官をやらせていただいているものでして……名前はコーヘー・セグチです、はい」
「ちょっとお待ちなさい!」

そう言ってカノヱが部屋に飛び込む。
出だしから最悪だ。
セグチはカノヱの櫛を持って天井を見上げ、ため息をついた。


「だから、ちゃんとノックしてましたってば!」
「聞こえないノックに意味などないのです!」

二人で責任のなすりつけ合いを暫くしていたセグチとスレチガイン。

「……今回はドローということにしてあげましょう」
「いいですね、賛成です」

そう言って仲直りの握手。
その手には妙に不自然なほど握力が込められていたような気がするのはきっと気のせいだ、とセグチは思った。


「そうですね。今回のデスガンの件について知っているのは、僅かしかいません」

カノヱは右手の指を広げて見せる。
セグチも同じように広げ、そのうちの親指と人差し指を折る。

「エクセルさんと、パワーポイント氏と……」
「テラ船長、ワタクシ、それと貴方だけ」

カノヱが引き継ぐ様に、残りの指を折り曲げる。
残った拳骨を振りながらカノヱが話す。

「この船だけに限らなければ、警察も含まれますけどね。ワタクシは馬鹿女から直接聞きましたので、本人に聞いてみればすぐにわかります。船長は、警備等の関係上伝えざるを得なかったようです。これもまた本人から聞きました」
「そうですか……ありがとうございます」

ここまで聞ければ十分と判断したのだろう、セグチは席から腰を浮かせる。
扉を開け、今まさに出ようとしたところでセグチがカノヱの方を振り返る、問う。

「ところで、カノヱさんはこの船で誰が一番怪しいと思いますか?」
「ワタクシですか?」

驚いたようにセグチの瞳を見つめ、クスクスと思い出し笑いをした後にとびきりの冗句を披露するように楽しげに口ずさんだ。

「そうですね、この隣の部屋の住民なんて怪しいと思いますよ」

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なんていうか、もうどうにでもなーれ☆

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